Click-a-法話(14):  「お釈迦様の入涅槃」 (2月15日)


2月15日は、「涅槃会」といわれ、おシャカ様が80歳の御一生を終えられて、入寂された日である。ヒマラヤの麓のシャカ族の王子としてお生まれになられたが、国王となる道を捨てて、魂の救いを求め29歳の時に出家され、6年の苦行難行を経て、35歳の時に「さとり」(内なる覚醒)を成就されたのであった。以後45年間、おシャカ様は各地で「法」(さとりの真実)を説かれ、80歳にしてクシナーラでその御一生を終えられたのであった。

おシャカ様の死・・・・それは究極の涅槃であり、心のみならず、肉体の制約をも越えた世界への入寂であった。この世の旅を終えられて、まさに静寂安養の世界への旅立ちであった。

おシャカ様の最後の旅は、特に克明に経典に記録されてあり、入滅前後の様子が手に取る様に描写されている。

おシャカ様は、ア-ナンダを伴い最後の旅にでられたのであった。途中のある村に立寄られたが、そこで鍛冶屋のチュンダに法を説かれそこで食事の接待をうけらたとある。チュンダが供した食べ物が原因でおシャカ様は、まもなく突然の激痛・下痢・脱水症状に襲われ、死期をさとられたのか、苦しみに耐えながらクシナーラへと歩みを進められたのであった。

   「アーナンダ、私は疲れた。道脇のサーラ樹の下に頭を北にして何か敷物をあつらえてくれ。アーナンダ、私は横になりたい。」

秘書の如く長年おシャカ様に付き添われたアーナンダが、重病のおシャカ様のただならぬ様子に直面してさめざめと涙するのを御覧になられて:

  「アーナンダよ、悲しむなかれ、悲嘆することなかれ。人は必ず愛する者と別離せねばならぬものと教えて来たではないか。かけがいのないものともやがて別離せねばならないのである。この世に生まれ存在するもの全てが、必ずいつかは壊れ去るものである。それを避ける事は、誰にも不可能である。 汝は長年立派によく仕えてくれた・・・・。これからも怠る事なく精進し、速やかに穢れなき者とならん事を・・・。」

おシャカ様も、世の定めの例外ではなく、全ての生命に終わりが訪れるように、御自身もその御一生を終えられたのであった。その教えの如く、入涅槃されたのである。そこには奇跡もなく例外もない、厳粛な死の瞬間であった。

苦痛・激痛に静かに耐えられ、完全なまでに安らかな御入寂であった。

2月15日が「涅槃会」である事すら忘れてしまった現代の日本人ではあるが、忘れていても例外なく必ず訪れる「自らの死」についてよくよく内省しなければならない。

        合  掌


İEikyoji、2003